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    ロンサム・ウェスト感想(1)

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      さて、「ロンサム・ウェスト」の観世的感想を
      ボチボチと書いて行こうと思います。

      なんか・・・新聞の劇評読んでも、雑誌を読んでも、とても深い話のように書いてあって
      まあ、浅くはないとは思うけど
      でも私はけっこうライトな感想を持ってしまったんですよね。
      だから感想が、他の人とは違うかもしれなくて、
      ちょっと書くのがビクビクなんですけど・・・。
      まあ、自分でも常々言っているように、感想は自由ですから!十人十色!


      もう1つのブログでフィギュアスケートの感想を書いているんですが
      そんな感じで、フリーに書いてみようと思います。
      ネタバレ満載ですので、内容を知りたくない人は、観劇後にお読みくださいね。



      「ロンサム・ウェスト」感想(1)
      『アタシ、こういう人たち知ってる。』



       
       

      二人を見ながら、「私こういうシーン見たことあるぞ」と思った。
      それは・・・・小学校低学年男子!!
      ケンカをし、ケンカをすることで理解が深まり
      怒り、取っ組み合いをすることで絆が深まる。
      周りの大人たちは顔をしかめ、時にはやめさせようとするが、
      本人たちは忠告などはぜんっぜん聞いてない。
      そしてひどい罵り合いの後にもケロッとしており
      ウマが合った時には、同化したようになって仲よく夢中で遊ぶ。
      私の知り合いのお子さんが、ちょうどそんな感じだ。
      母親たちはハイハイと呆れて見ている。
      今言ってもわからないんだよね、もう少し大きくならないとね、と思いながら見守っている。
      コールマンとヴァレンはそんな小学生そっくりに見え
      だからこそとても仲良しに見えた。

      とにかく会話がテンポが良くて、見ていて小気味良いほど。
      悪辣なこと、眉をひそめたくなるようなことを、言ったりやったりしているのだが
      テンポが良くて陰鬱な感じにならないし、飽きない。
      さっきまで互いが180度逆のことを言っていがみあっていたのに
      急に「そうそう!」と同意したり笑いあったりする。
      その間の良さが、いっそう仲の良さを感じさせる。

      なので、ウェルシュ神父がなぜそこまで全てを賭け、
      命を絶ってまで2人を仲よくさせようとしたのかがわからなかった。
      2人は十分仲がいいもの。
      ケンカをせず、思いやりあって穏やかに暮らすことが、仲がいいということなのか?
      それが模範的な生活であり、幸せなのか?
      それは・・・偽善ではないだろうか。

      ウェルシュが死んだ後、二人は仲良く思いやり合いながら、
      "一歩引いて落ち着いて考えてから" しゃべったりして
      ケンカせずに過ごしてみようとする。
      しかしうまくいかず、挙句にコールマンはこう言った。
      「そもそもケンカのどこが悪い? 相手を気にかけてる証拠だ。
      俺はいいケンカは大好きだ!」


      そうなのだ、彼らはこのテンポで、言い合ったり取っ組み合ったりしながら暮らすのが快適なのだ。
      それが日常なのであり、普通のことだから、
      父親が死んでも、知り合いの警察官が死んでも、
      それ(日常のケンカ)が不謹慎だからと控えようとはしない。だってそれが普通のことだから。
      (そこは思考レベルが低いと言わざるを得ないが)
      それをいさめようとすることに、あまり意味もないし、成功するわけないのだよ、ウェルシュ神父。
      しかもあなたのように、頭ごなしに「なぜそうなんだ!」と叱ったところで
      話をストーブにすり替えられるのがオチで
      彼らの心には響かない。なぜそんな注意をされるのか、彼らにはわかっていないんだ。

      まるで小学生だよね。

      それなのに、彼らのために生活がすさむほど悩み、ついには命を絶って
      彼らに穏やかに暮らすことを諭そうとした神父。
      それは・・・空回りだと思うんだよね、私は。

      そんな空回り神父にしては、そしてアル中神父にしては
      落ち着き過ぎだよな〜北村さん。 ・・・と思いました。
      ウェルシュ神父については、また別項で。


      コールマンはヴァレンよりかなりすさんでいる。
      言っていること、やっていることもシャレにならない。
      そもそも本当に殺人おかしてるしね。カッとなると制御が効かないタイプだろう。
      今だったら病院で診察を受けるレベルだと思う。
      それに対してヴァレンはもうすこしまとも。
      お金も(彼なりに)ちゃんと管理してるし。保険まで掛けてる。

      たぶん・・・これは妄想だけれど
      コールマンは父親にひどいことをされ続けて来た。心から憎んでいたんじゃないかな。
      ガーリーンがコールマンの父親の文句を言っていたが、
      そういう風にちょっと問題のある父親だったのだろう。
      兄であるコールマンは、何かと"被害"を受けてきたのではないか。
      そうして心を屈折させた兄。感情を抑えることができない兄と、ずっと暮らしてきたヴァレン。
      兄が父親に何をされているかも、ずっと見てきたヴァレン。
      もちろんコールマンの横暴に怒りながらも、
      彼の本当の寂しさや不幸を理解していたし、
      コールマンなしで生きる自分も想像できなかった。
      だから一緒に居続け、たくさんのことを我慢してきたんだと思う。
      陰部のにおいを嗅ぐ仕草(幼児がよくやる行為)や、ラスト「ビールは絶対おごらない!」という宣言や
      そんな小さな反抗で自分の怒りをおさめておさめて、ずっとおさめ続けて
      今に至っているのだと思う。
      そんなヴァレンは気の毒か?
      いや違う、そうしないと彼は生きていけないんだと思う。
      コールマンなしでは。

      ヴァレンが一度、犬の耳を切ったのがコールマンだとわかった後に
      ストーブに発砲され、フィギュアも全部壊されて、
      その後、ナイフを構えて絞り出すように言う。
      「俺、お前を殺したいよ」
      このセリフがとっても良かった。
      あの時、ヴァレンは本気だったと思う。
      ・・・結局その本気の殺意すら、押え込んでしまわざるを得ないのだが。


      そんな風に、屈折してすさんではいるが、とても仲のいい兄弟に見えたのでした。
      だから、他の感想や批評に書かれているような、不気味さや闇はあまり感じなかったのです、私。
      それよりもむしろ、問題なのは神父だ!
      そしてその神父がうまく描けていないんじゃないだろうか・・・と思ったのでした。


      とりとめがありませんが、今日はこの辺で。
      神父についてはあらためて語ります。









       
      posted by: 観世 | 感想・レポ「ロンサム・ウェスト」 | 00:15 | comments(3) | trackbacks(0) | - |

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        コメント
         
        2014/05/29 11:15 PM
        Posted by: みよごん
        観世さま、こんばんは。
        お邪魔します。

        さすが深い洞察力!
        やはり、兄弟の生い立ちに思いをはせてしまいますよね。

        ところで、
        観世さまはこの後、兄弟はどうなると思います?
        小学生男子並み(以下?)の思考回路に成人男子の体、おまけにライフルと肉切り包丁まであるのですから、依存し合っている兄弟の、無意識下の阿吽の呼吸もいつか崩れるのではないかと・・・

        ウェルシュ神父については私も興味があります。
        ブログの更新、楽しみにしています。
        2014/05/30 9:37 AM
        Posted by: 観世
        > みよごん さま

        とんでもとんでもとんでもございません!
        他の方々のようなちゃんとした洞察ができなくて
        それは私の感性の問題か、芝居の出来の問題か、悩んでいるところでございます(笑)

        この兄弟は、いつかどちらかがどちらかを殺すと思います。
        みよごんさんはもしそうだとしたら、どっちが殺すと思いますか?
        私は・・・コールマンがヴァレンを殺してしまうと思いますね。
        本文にも書いたけど、コールマンは病的なところがあります。病的なものはなかなか自制できない。
        ヴァレンはそれでも理性が強い。
        ただ、もし二人でずうっと暮らして、コールマンが寝たきりになったり、ボケたりしたら、
        ヴァレンが殺すかもしれませんね。

        ・・・・って、なんて不穏な話をしているんだ!(笑)

        依存し合っている兄弟ですが
        コールマンは依存している自覚はないと思います。たぶん支配している感覚なのではないかしら。
        父親を殺した時に、ヴァレンがあんな条件をつけて事実を隠したりしなければ、ヴァレンに負い目を感じる部分もあったかもしれませんが
        あそこでヴァレンは共犯者に成り下がってしまいましたからね。

        まぁとにかく、この二人は死ぬまでこうだと思いますね。
        1つ考えられるきっかけは・・・ヴァレンが誰かと結婚することかな。
        いや、結婚しても兄は関わりまとわりつき続けるでしょうね。気の毒なヴァレン。


        ウェルシュについて、近々書きますヨ〜!
        またご意見聞かせてください。
        2014/05/31 9:35 AM
        Posted by: みゆき
        ふふふ☆
        観てしまいました☆

        私も兄弟仲良いんやない?と思いました。
        喧嘩の内容がまた子供じみてて放っておくレベルです(笑)

        父親を殺した動機や死んだ人に対する態度は救えませんが
        (いや、今の世の中こういうとこともよくあるのでしょうけれど…)、
        兄弟間は殺してやる言いながらもただのスキンシップにも見えました。

        ヴァレンは生きようと思えば生きられそうです。
        コールマンはヴァレンに去られそうになったらヴァレンを殺しそう。
        で、結局自分もそのまま死んじゃうかも。

        お母さんは、一体どんな人なんでしょう。
        ヴァレンが小さいうちに亡くなったか出ていったかで、母がいない寂しさと甘えたい気持ちをお互いで補ってるんですかねぇ。

        闇…は特に感じませんでした。
        TOPDOG/UNDERDOGのようにどちらかがどちらかを殺していたらまた違う空気が出たかもしれませんが…

        神父さん、子供の喧嘩(おじさんの喧嘩(笑))に躍起になって死ななくてもいいのに…(T^T)
        あれが兄弟にとって普通の環境なんだから放っておけば良かったのに…それで死んでも自業自得なんだし…
        ガーリーンが可哀想だよ…
        と…(^-^;


        ガーリーンは、神父さん好き好き~って気持ちわかりました(笑)
        ああ、わかるよ!相手にされてないって分かってても気持ちが傾く感じ!
        しかも、構う必要のない兄弟のために死ぬなんて…ガーリーンは悔しいですよね…

        もしかすると、今回は未遂でしたが、最後に兄弟の結末を作るのはガーリーンかもしれませんね(^-^;

        と、またまた長文に…失礼しました(^-^;









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